top of page

外国語習得の段階

更新日:2023年8月21日

(noteに2020年3月10日に投稿した内容の転載です)


今回は、「英語を身につける」というけれど、何ができることを目指すのか、どこまでのレベルを目指せば「英語が使える人」なのか?という点について書いてみます。


「使える英語を身につける」


と言っても、どのレベルであれば「使える英語」と言えるのか、はっきりしませんよね。


語学学習の成果を感じられない場合、どんな状態を目指すのかを曖昧にスタートしていることはないでしょうか?きちんとゴールを示して、目標を立てて始める必要がありますね。


外国語ーここでは英語学習に絞って考えますが、英語がどのくらいどんな風に使えたら「十分」なのか。その考え方は、もちろん人によって違うと思います。私は、大きく5段階のレベルがあると思っています。


この5つの段階の中で、日本に暮らしながら「使える英語を身につけた」と表現するのに必要なレベルは、ここでいうレベル3だと私は思っています。


レベル1 主に単語のみで多少の意思疎通が可能

日本人の大人の多くは、学力的にはこのレベルには達しているのではないでしょうか。中高時代に身に付けた英単語は相当数ありますよね。であれば、簡単な単語と指差しで意思疎通は可能なはずなのです。ただ、なぜかそれができない人が多いようです。その理由、そしてどうしたらレベル1になることがきるか。追って詳しく書いていきます。


レベル2 センテンスでのコミュニケーションがなんとか可能 簡単な本が読める

これは現地の子供の5歳程度の英語力をイメージしています。おそらく多くの日本人がもっと難易度の高い英語の単語を持っているのにも関わらず、このレベルのコミュニケーションがなかなかうまくいかない。そして「簡単な絵本」を読むことが難しい、、うまく読めず、内容もあまり理解できない・・・。どうしてでしょうか。それは英語という言語を日本語の枠で使っているから。そして、日常生活英語を学んだことがないからだと思います。英語と日本語の言語・文化的違いや生活言葉は中高の教科英語では触れることがほとんどないのですよね。しかし、ここを飛ばしては、やはりネイティブと日常のコミュニケーションをとることは難しい。。でも大丈夫!学ぶ気機会がなかっただけですから。きちんと補強することができる領域です。


レベル3 困らずに意思を表せて交渉もできる 本が読める

ここまでくれば、「使える英語力」を持っていると言えると思います。例えば、お店に入って自信を持って自分の必要なものを購入できる(時々違うのが来るかもしれませんが^^; )。隣り合った人とのちょっとした日常会話ができる。必要なときにはクレームをつけることもできる。学生なら、小学生くらいのレベルの現地の本やワークブックが理解できる。大人なら、雑誌など易しめの本が読める。(新聞はまったく歯が立たないけれど全く問題なし!)11歳の息子の英語は、今これを書いている時点で、このレベルです。


(これ以降の記事で、私はこのレベル3の英語力をGrade2レベルの英語力、と表しています。アメリカでいう小学2-3年生の英語力です)


レベル4 表現や単語を選びながらコミュニケーションでき、数百ページの本もスラスラ読める

これは、周りからみたら「英語がすごく上手」「バイリンガルみたい」と言われることもあるけれど、実際には新聞などで100%の単語が理解できているわけではなく、ネイティブ英語、そして本当に力のある英語力を持った人との差にコンプレックスを持っていないこともない・・・というレベルです。英語で暮らしても困るわけではないので、ここで学びをやめてしまう人も多いと思いますし、実際にそれでもいいのではないかと思っています。外国語としての英語が、日常生活〜ビジネスレベルである程度使いこなせるレベルと言えます。このレベルにはかなりの幅があります。ちなみに、私の英語もこのレベルです。


レベル5 読むスピードや話す際の表現・単語など全てが言語力の高いネイティブと同等

英語が母語と同じように自分の言語になっているレベルです。

このレベルに達する多くの人は、幼い頃から外国で暮らしたり、両親のどちらかがこの言語のネイティブ話者であったとか、とにかく幼稚園小学校くらいの年齢に間に大量の英語を聴いて読んだという経験があるかと思います。

もう一つの可能性は、大人になってから英語を学んだとしても、大学や大学院、あるいは仕事をするようになってからでも、3年5年というような一定以上の期間を英語圏で勉強した場合には、このレベルを達成できると思います。

でも、、中には、いわゆる「純ジャパ(海外経験がない)」人で、発音そして話ぶりや会話の内容、使う語彙まで、ネイティブのようなレベルを達成している人もいるようです!!

長く海外留学していても、あまり英語が上手でない人もたくさんいるようですし、要は置かれた状況よりも、その人のやり方と努力によるのかもしれません。



私も今後長く英語圏で仕事をして英語を母語レベルにしたいなあと希望してはいます。

追って別記事で紹介しますが、13歳の娘の英語はこのレベルです。



疑問に思う方もいらっしゃると思うのですが、「ネイティブレベル」や「母語と同レベル」、、の言い方は、よく考えると全くレベル感がわかりませんよね?

日本語ネイティブの私たちの日本語能力もピンキリ、、、です。

つまり、その「ネイティブレベル」というのは、個々人の言語能力レベルによって目指すところが違ってくるはずということです。

言語能力を示す良い指標がないので(あればいいですよね)こういう言い方も難しいのですが、まず、自分の母語の言語能力を平均よりも上に持っていき、そのレベルまで英語力も追いついた時、「ネイティブレベル」という言葉に自信を持てるのではないか、と、私は考えています。



私の日本での 英語教室OEC では、母語である日本語の言語能力もより高めてもらい、高いレベルでの英語力を身につけるための学習を提供していました。

もちろん、英語を学び始めたばかりの生徒さんたちが日本語を抜くほどの英語力をすぐに身につけることはありませんが、思考する母語の言語能力は、英語学習の理解や学習進度にも大きく影響します。ですから、生徒さんの日本語力をあげることにも意識を置いてレッスンを提供していました。OECの英語習得の成果は、言語力全体を見据えていたところにも、エッセンスがあったと思っています


ここまで読んでくださってありがとうございました!



閲覧数:99回0件のコメント

最新記事

すべて表示

海外駐在子女の英語習得と英検について

保護者の海外駐在に伴い、海外の現地校やインターに転入してサバイバルする駐在子女の英語習得のサポートをしています。 小学校高学年以降、中高生でいきなり現地校の授業についていかないといけなくなった子どもたちは、本当に大変な思いをしながら、英語を身につけます。...

Comments


bottom of page